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退職代行を使っても失業保険はもらえる|条件と入金までの流れ

退職代行を使っても失業保険はもらえる

退職代行で辞めても、失業保険は受け取れます。

受給の条件に「辞め方」が入っていないから。

ハローワークが見るのは2つだけ。

雇用保険の加入期間と、離職理由です。

申請書にも受給資格者証にも、代行を使ったと書く欄はありません。

ただし、振り込みまでには時間がかかります。

待期の7日と、給付制限の1か月。

待期と給付制限を越えないと1円も入りません。

初回入金は、退職からおよそ2か月後。

本記事では、退職代行で辞めた人が失業保険を受け取るまでを順番に整理しました。

金額、日数、そしていちばん詰まる離職票の話まで。

目次

退職代行を使っても失業保険はもらえる

失業保険の受給条件に辞め方は関係ない

まず全体像から。

代行の利用は、受給の可否にも金額にも響きません。

効いてくるのは「自己都合になる」という一点だけです。

受給の条件に「辞め方」は入っていない

ハローワークが示す基本手当の受給要件は2つ

ハローワークが示す基本手当の受給要件は、次の2つです。

  • 働く意思と能力があるのに、職業に就けない「失業の状態」にあること
  • 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あること

出典|ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

自分で退職届を出したのか、代行に伝えてもらったのか。

辞め方を問う要件はどこにもありません。

会社が離職の手続きさえすれば、あとは普通に辞めた人と同じ扱いです。

自己都合になるので、すぐには振り込まれない

2025年4月から給付制限は原則1か月に短縮

退職代行を使う場面のほとんどは、自分から辞めると伝えるケース。

つまり離職理由は自己都合です。

自己都合には給付制限がつきます。

給付制限が会社都合との最大の差。

とはいえ、制度は2025年に変わりました。

2025年4月1日以降に離職した人の給付制限は、原則1か月です。

2025年3月以前の2か月から短くなりました。

出典|厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」

代行業者は失業保険の手続きまではやらない

退職代行の担当範囲とハローワークの手続きの境界

代行の担当範囲を誤解している人が多い。

退職代行がやるのは、会社に退職の意思を伝えるところまでです。

ハローワークの申請は、本人が行きます。

そして離職票が届かなければ、申請じたいが始まりません。

離職票が実務でいちばん詰まる場所。

くわしくは「退職代行でつまずくのは離職票」で書きました。

失業保険をもらえる3つの条件

失業保険をもらえる3つの条件

受給できるかどうかは、次の3点で決まります。

ひとつ欠けても受け取れません。

条件1|離職前2年間に、雇用保険へ12か月以上入っていた

離職理由ごとに必要な雇用保険の加入期間

必要な加入期間は、離職理由で変わります。

離職理由必要な被保険者期間さかのぼる期間
自己都合・定年など
(一般の離職者)
通算12か月以上離職の日以前2年間
倒産・解雇など
(特定受給資格者)
通算6か月以上離職の日以前1年間
契約が更新されなかったなど
(特定理由離職者)
通算6か月以上離職の日以前1年間

退職代行を使う人は、いちばん上の行にあたります。

つまり12か月。

「1か月」の数え方にも決まりがあります。

離職日から1か月ごとに区切るのが基本。

賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または時間数が80時間以上。

満たした月を1か月と数えます。

出勤の少ない月は、カウントされないことがあります。

転職して1年たっていない人は、前職の加入期間と通算できる場合も。

空白が1年以内なら足して数えられるので、雇用保険被保険者証を持ってハローワークで確認してください。

条件2|働く意思と能力があるのに就職できない

すぐに働けないときは受給期間を延長できる

失業保険は、次の仕事を探す人のための給付です。

ハローワークは、次の状態を「失業」に含めないと明記しています。

  • 病気やけがのため、すぐには就職できないとき
  • 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
  • 定年などで退職し、しばらく休養しようと思っているとき
  • 結婚などで家事に専念し、すぐには就職できないとき

退職代行を選ぶ人には、心身を消耗しきった人が少なくありません。

すぐには働けない状態だと、失業保険は受け取れません。

あきらめないでください。

病気やけがで引き続き30日以上働けないときは、受給期間を延長できます。

延長できるのは最長3年。

本来の1年とあわせ、実質4年のあいだに受け取れる計算になります。

代理人や郵送でも申請できるので、動けない時期でも間に合うはず。

体調を戻してから、あらためて受け取る。

順番として問題ありません。

条件3|離職票が手元にそろっている

離職票1と離職票2の2枚が必要

申請には「雇用保険被保険者離職票-1」と「-2」が要ります。

会社がハローワークへ届け出て、本人へ届く流れ。

注目すべきは離職票-2です。

離職票-2に離職理由が書かれていて、給付制限がつくかどうかも決まります。

届いたら、まず中身を確認してください。

申請から初回入金までのスケジュール

申請から初回入金までのスケジュール

いちばん知りたいのは「いつ振り込まれるか」でしょう。

自己都合で辞めた場合の流れを時系列で並べました。

タイミング起きること・やること
退職日会社が離職の手続きに入る(期限は10日以内)
退職から10日〜2週間ごろ離職票-1、-2が届く
届いたらすぐハローワークで求職の申込みと離職票の提出(受給資格の決定)
受給資格の決定日から7日間待期。支給なし
待期のあと1か月給付制限(自己都合の場合)
受給資格の決定から2〜3週間ごろ雇用保険受給者初回説明会に出席
4週間に1回失業認定日にハローワークへ
認定日から通常5営業日指定した口座に振込

合計すると、退職日から初回入金までおよそ2か月。

離職票が遅れれば、遅れた日数だけ後ろにずれます。

待期の7日間は誰でも待つ

待期の7日間は誰でも支給されない

ハローワークで求職の申込みをしたあと、失業の状態にある7日間は基本手当が出ません。

7日間が待期。

会社都合でも自己都合でも同じ扱いです。

給付制限は2025年4月から原則1か月

給付制限が3か月になる2つのケース

待期が終わったあと、自己都合の人にはさらに給付制限がつきます。

2025年4月1日以降の離職なら原則1か月、2025年3月31日以前の離職なら原則2か月。

ただし、3か月になるケースが2つあります。

  • 退職日からさかのぼって5年のうち、正当な理由なく2回以上自己都合退職し、受給資格の決定を受けた場合
  • 自分の責めに帰すべき重大な理由で解雇された場合(重責解雇)

短期間に退職代行を2回使った人は、3か月になる可能性があります。

数えるのは「自己都合で辞めて受給資格の決定を受けた回数」。

前回もらっていれば、前回ぶんが1回目。

逆に、制限を外す道もあります。

2025年4月以降、学び直しのために教育訓練を受けた場合は給付制限が解除されます。

対象は2025年4月1日以降に離職した人。

訓練の開始日を証明する書類が要るので、受講を考えているならハローワークで先に相談してください。

出典|厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」

認定日は4週に1度、振込は認定から5営業日

認定日と求職活動実績の回数

受給が始まると、原則4週間に1度の失業認定日にハローワークへ行きます。

失業認定申告書に求職活動の状況を書いて提出する流れ。

振込は、失業の認定を行った日から通常5営業日です。

休日や年末年始をはさむと遅れます。

忘れやすいのが求職活動の実績。

認定対象期間中に原則2回以上、初回の認定日までは1回で足ります。

給付制限がある人は、制限期間と直後の認定対象期間をあわせて原則2回以上。

給付制限が3か月なら原則3回以上です。

求人情報を眺めるだけでは実績になりません。

対象になるのは、次のような活動です。

  • 求人への応募
  • ハローワークの職業相談・職業紹介
  • 民間の職業紹介機関や派遣会社の職業相談・セミナー受講
  • 再就職に役立つ国家試験や検定の受験

出典|ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」

失業保険はいくらもらえるのか

失業保険の金額は日額と日数で決まる

金額は「1日あたりの額」と「もらえる日数」のかけ算。

日額も日数も離職前の状況で変わります。

1日あたりの金額(基本手当日額)

基本手当日額の計算の元になる賃金

計算の元になるのは、離職した日の直前6か月に毎月きまって支払われた賃金です。

賞与は入りません。

6か月ぶんの合計を180で割った額が賃金日額。

基本手当日額は、賃金日額のおよそ50〜80%です(60歳〜64歳は45〜80%)。

賃金が低い人ほど率が高くなる設計です。

そして年齢ごとに上限が決まっています。

30歳未満7,450円
30歳以上45歳未満8,270円
45歳以上60歳未満9,110円
60歳以上65歳未満7,830円
基本手当日額の上限額(令和8年8月1日現在)

実際の率は賃金日額の水準ごとに細かく決まっていて、自分で正確に出すのは骨が折れます。

金額を確定させたいなら、受給資格の決定のときに渡される受給資格者証を見てください。

受給資格者証に書いてあります。

何日分もらえるか(所定給付日数)

自己都合と会社都合で所定給付日数が違う

自己都合で辞めた場合、日数は加入期間だけで決まります。

年齢は関係ありません。

被保険者であった期間所定給付日数
10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日
自己都合・定年などで離職した場合(一般の離職者)

倒産や解雇で辞めた特定受給資格者は、年齢と加入期間に応じて90日から330日まで。

同じ会社に10年勤めた35歳でも、自己都合なら90日、会社都合なら240日。

差は150日ぶんです。

出典|ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」

もうひとつ、期限があります。

基本手当を受けられるのは離職した日の翌日から1年間。

1年を過ぎると、日数が残っていても打ち切られます。

給付制限で1か月待つぶん、動き出しが遅い人ほど後半を捨てることになりかねません。

早く決まると再就職手当がつく

再就職手当の支給率は70%と60%

「もらいきってから就職したほうが得」と考える人がいます。

誤解です。

早く決めた人には再就職手当がつきます。

基本手当の支給残日数もらえる額
所定給付日数の3分の2以上支給残日数 × 70% × 基本手当日額
所定給付日数の3分の1以上支給残日数 × 60% × 基本手当日額

支給要件はいくつかありますが、退職代行を使った人がとくに気をつけたいのは1点だけ。

給付制限を受けた人には、待期満了後の1か月間だけ特別な条件がつきます。

待期満了後の1か月に就職するなら、紹介の経路が問われます。

ハローワークか、許可・届出のある職業紹介事業者の紹介であることが必要。

自分で求人サイトから応募して決めた場合、待期満了後の1か月だと対象外になることも。

急いで決めたいなら、最初の1か月はハローワークか正規の転職エージェント経由で動いてください。

出典|厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」

20代で職歴が短いまま辞めたなら、第二新卒・既卒向けのUZUZ第二新卒があります。有料職業紹介事業の許可(13-ユ-305514)を受けた転職エージェントで、登録も相談も無料です。

退職代行でつまずくのは「離職票が来ない」

離職票が届かないときはハローワークに相談する

退職代行ならではの話に入ります。

条件は普通に辞めた人と同じでも、詰まる場所が違います。

会社と直接やり取りしないぶん、書類が止まったときに気づくのが遅れるからです。

会社の手続きは「10日以内」と決まっている

離職票と源泉徴収票の交付期限

会社は、従業員が辞めたら雇用保険の資格喪失届と離職証明書をハローワークへ出します。

期限は資格喪失日(退職日の翌日)から10日以内。

雇用保険法施行規則7条で決まった事業主の義務です。

あわせて覚えておきたいのが源泉徴収票。

源泉徴収票は退職日以後1か月以内に交付するよう、所得税法226条で定められています。

書類会社側の期限使いみち
離職票-1、-2資格喪失日の翌日から10日以内に届出失業保険の申請
源泉徴収票退職日以後1か月以内確定申告、転職先での年末調整
雇用保険被保険者証定めなし(退職時に返却)転職先での手続き

「代行を使ったから嫌がらせで出さない」は通りません。

会社の義務は、辞め方と無関係に発生します。

届かないときはハローワークに相談できる

会社に催促せずハローワークへ問い合わせる

とはいえ、期限が守られないことはあります。

泣き寝入りは不要。

ハローワークは公式に案内しています。

会社から離職票が交付されない場合や、事業主が行方不明の場合等については、住居地を管轄するハローワークにお問い合わせください。

ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」

自分で会社に催促しなくていい。

代行を使った人にとって大きい話です。

せっかく連絡を断ったのに、書類のために電話をかけ直すのでは意味がありません。

退職から2週間たっても届かないなら、会社ではなくハローワークへ。

窓口から会社に確認が入ります。

なお、有給の消化や未払いぶんの請求まで会社に伝えてほしい場合、運営元によって対応が変わります。

伝えるだけの民間業者では交渉できません。

運営元による違いは退職代行おすすめ4社の比較にまとめました。

離職理由に納得できないときは異議を出せる

離職理由に異議があるときの証拠

離職票-2の離職理由は、会社が書いたもの。

実態と違うと感じたなら、書かれたとおりに受け入れる必要はありません。

ハローワークは、離職理由に異議がある場合は相談するよう案内しています。

窓口が事実関係を調査したうえで判定する仕組み。

会社の記載が無条件に通るわけではありません。

たとえばパワハラや極端な長時間労働が退職の原因だった場合。

認められれば特定受給資格者や特定理由離職者にあたり、扱いは大きく変わります。

項目自己都合(一般の離職者)特定受給資格者など
給付制限原則1か月なし
必要な加入期間2年間で12か月以上1年間で6か月以上
所定給付日数90日〜150日90日〜330日
国民健康保険料の軽減対象外対象になる

主張するなら材料が要ります。

集めておきたいのは次の4点。

  • タイムカードなどの勤怠記録
  • 残業時間のわかるもの
  • 心療内科の診断書
  • 上司とのやり取りの記録

代行に依頼する前に集めておくと、あとで効いてきます。

無理に争う話でもありません。

認められなくても自己都合として受給できます。

材料があるなら出してみる、くらいの温度で十分。

失業保険のほかに、退職後に動くお金

退職後に動くお金と手続きの期限

失業保険だけ見ていると足をすくわれます。

退職の翌日から、健康保険も年金も自分で払う側に回るからです。

期限が短いものから並べました。

手続き期限窓口
健康保険の任意継続資格喪失日から20日以内協会けんぽなど
国民健康保険への加入退職の翌日から原則14日以内市区町村
国民年金への切替退職の翌日から14日以内市区町村
失業保険の申請離職票が届いたらすぐ
(受給期間は離職の翌日から1年)
ハローワーク
住民税の納付退職した月による勤務先・市区町村

健康保険は「任意継続」か「国保」か

任意継続と国民健康保険の比較

選択肢は2つ。

会社で入っていた健康保険を続ける任意継続か、市区町村の国民健康保険かです。

任意継続の条件は、退職日までに継続して2か月以上の被保険者期間があること。

申請は資格喪失日から20日以内で、過ぎると入れません。

加入できるのは最長2年間。

出典|全国健康保険協会「任意継続」

保険料は、会社が負担していたぶんも自分で払うので、在職中のおよそ2倍になります。

2倍でも国保より安く済む人はいます。

国保の保険料は前年の所得で決まるため、退職1年目は高く出やすいからです。

注意点をひとつ。

倒産や解雇で離職した人には、国保の軽減制度があります。

前年の給与所得を100分の30として計算してもらえる仕組み。

ただし自己都合で辞めた人は、軽減の対象になりません。

退職代行を使った人の多くは対象外と考えてください。

任意継続と国保のうち、安いほうは人によって逆転します。

市区町村の窓口で国保の保険料を試算してもらい、任意継続と並べて決めるのが確実。

20日という期限があるので、辞めたらすぐ動いてください。

年金は14日以内に切り替える

厚生年金から国民年金への切替と特例免除

厚生年金から国民年金の第1号被保険者へ、種別変更の届出をします。

期限は退職の翌日から14日以内。

窓口は市区町村です。

払えないときは、免除や納付猶予を申請できます。

失業した場合は特例免除があり、前年の所得が多くても対象になります。

申請には、失業した事実がわかる書類が必要。

離職票のコピーや、ハローワークから交付される受給資格者証のコピーです。

未納のまま放置するのは避けてください。

免除を申請しておけば、免除された期間も年金を受け取るための期間に算入されます。

万一のときの障害年金にも関わる話です。

出典|日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」/同「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」

住民税は退職した月で扱いが変わる

退職した月で住民税の徴収方法が変わる

忘れたころに届いて驚くのが住民税。

前年の所得にかかる税です。

収入がゼロの月でも請求は来ます。

退職した時期残りの住民税の扱い
1月1日〜4月30日申し出がなくても、5月31日までに支払われる給与や退職金から一括徴収
6月1日〜12月31日普通徴収に切り替わり、自分で納付(申し出れば一括徴収も可能)

年明けに辞めると、最後の給与から数か月ぶんをまとめて引かれる形。

手取りが想像よりかなり少なくなります。

退職日を選べる状況なら、頭に入れておいてください。

6月以降に辞めた場合は、あとから納付書が届きます。

失業保険が始まる前に来ることもあるため、生活費の計画に入れておくと安全。

退職代行を使う前に知っておきたい注意点

退職代行を使う前に知っておきたい3つの注意点

お金の面から見ると、退職代行にも弱点があります。

使うなという話ではありません。

先に知っておけば手当てできる話です。

初回入金まで2か月、生活費が要る

収入がないのに支出だけ増える2か月

すでに見たとおり、待期7日と給付制限1か月があります。

離職票の到着も待つので、最初の振込は退職からおよそ2か月後。

しかも初回は日数が少なく、満額ではありません。

収入のない時期に、国保と年金と住民税が重なります。

収入ゼロで支出だけ増える期間が2か月ほど続きます。

対策はシンプル。

退職前に2〜3か月ぶんの生活費を確保しておくことです。

難しければ、料金が後払いのサービスを選ぶ手もあります。

辞めてから支払うぶん、手元に現金を残せるはず。

未払いや有給の交渉は、運営元によってできない

退職代行の運営元でできることが変わる

退職代行は、運営元でできることが変わります。

民間企業は退職の意思を伝えるだけ。

有給を消化させてほしい、未払いの残業代を払ってほしい、といった交渉はできません。

交渉できるのは労働組合と弁護士です。

業界の慣習ではなく、法律の線引きです。

2026年8月28日、退職代行「モームリ」の運営会社をめぐる判決が出ました。

前社長夫妻に対する、東京地裁の弁護士法違反の有罪判決。

法的な交渉が必要な依頼者を、紹介料をとって弁護士へあっせんしていたことが理由です。

退職の意思を伝えること自体は、今も適法とされています。

お金を取り返したい人ほど、運営元が効いてきます。

くわしくは退職代行おすすめ4社の比較をどうぞ。

転職の選考で不利に働くことがある

企業の75.3%が退職代行の利用歴に慎重

正直に書きます。

東京商工リサーチが2026年3月から4月に行った企業アンケート(有効回答5,256社)の結果です。

退職代行の利用歴がわかった場合の回答です。

49.3%が「採用に慎重になる」、26.0%が「採用しない」。

あわせて75.3%にのぼります。

ただし「わかった場合」の話です。

応募先へ自動的に伝わる仕組みはありません。

離職票にも受給資格者証にも、代行を使ったと書く欄がないからです。

前職への在籍確認で退職理由まで細かく聞く会社は、多数派ではありません。

気にしすぎず、面接では退職理由を自分の言葉で説明できるようにしておく。

説明できれば足ります。

辞めたあとの流れは退職代行を使ったその後はどうなる? にまとめました。

退職代行と失業保険のよくある質問

退職代行と失業保険のよくある質問

Q. 退職代行を使ったことはハローワークに伝わりますか?

伝わりません。

ハローワークが見るのは離職票に書かれた離職理由で、代行の利用を記入する欄はないからです。

窓口で申告する必要もありません。

給付制限がつくかどうかは、自己都合か会社都合かだけで決まります。

Q. 給付制限の1か月間、アルバイトはできますか?

働くこと自体は禁じられていません。

ただし、働いた日と収入は失業認定申告書にすべて申告してください。

申告しなければ不正受給になります。

以後の支給がすべて止まり、受け取った額の返還を命じられます。

さらに、不正に受け取った額の2倍に相当する額以下の納付を命じられることも。

働き方によっては支給が先送りされたり減額されたりします。

始める前にハローワークで基準を聞いてください。

Q. 会社が離職票を出してくれません

住居地を管轄するハローワークに問い合わせを。

会社から離職票が交付されない場合の相談先として、ハローワークが公式に案内している窓口です。

自分で会社へ催促する必要はありません。

会社の届出は資格喪失日から10日以内が期限。

退職から2週間たっても届かないなら、動いていい時期です。

Q. 入社して半年で辞めた場合はもらえますか?

自己都合の場合、半年勤めた会社ぶんだけでは足りません。

必要なのは離職前2年間で通算12か月以上だからです。

ただし前職の加入期間と通算できることがあります。

条件は2つ。

前の会社を辞めてから次に入るまでの空白が1年以内で、空白の期間に失業保険を受け取っていないことです。

雇用保険被保険者証を持ってハローワークで確認してください。

Q. 退職金や有給の買取があると、減らされますか?

退職金は基本手当の計算に影響しません。

日額の元になるのは直前6か月に毎月きまって支払われた賃金だけで、賞与や退職金は含まないからです。

有給を消化してから退職日を迎えた場合も同じ。

ただし消化中はまだ在職しているので、申請は退職日を過ぎてから。

まとめ|辞め方より、運営元で決まる

退職代行と失業保険のまとめ

退職代行を使っても失業保険はもらえます。

要点をもう一度。

  • 受給の条件に「辞め方」は入っていない
  • 自己都合になるため、待期7日と給付制限1か月がつく(2025年4月以降の離職は原則1か月)
  • 初回入金は退職からおよそ2か月後。生活費は2〜3か月ぶん用意
  • 日数は加入10年未満で90日。受給できるのは離職の翌日から1年間まで
  • 離職票が届かないときは、会社ではなくハローワークへ
  • 健康保険は20日以内、年金は14日以内。期限の短いほうから片づける

お金の面でいちばん差がつくのは、代行の運営元です。

離職票が止まったとき、有給や未払いぶんの話を通したいとき。

伝えるだけの民間業者では動けません。

交渉できる労働組合の運営を選んでください。

男性なら「男の退職代行」がおすすめです。

労働組合の運営で交渉ができ、受付は24時間365日。

料金は18,800円からで、後払いにも対応しています。

手元の現金を残したまま辞められるのは、収入が止まる時期に効きます。

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同じ労働組合の運営で、料金も18,800円からです。

わたしNEXTは無料の転職サポートがつくので、次を探すところまで面倒を見てもらえます。

4社の料金と対応範囲を並べたい人は退職代行おすすめ4社を比較へ。

今日じゅうに辞めたい人には退職代行で即日退職はできる? が役に立つはずです。

※本記事の制度内容は2026年9月時点の公的機関の公表資料にもとづきます。

個別の受給可否や金額は、住居地を管轄するハローワークで確認してください。

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